米国のクレジットカード市場における私的情報と価格規制

Private Information and Price Regulation in the US Credit Card Market
https://doi.org/10.3982/ECTA18063

この論文は、2009年の米国クレジットカード説明責任・責任開示（CARD）法が、貸し手が新しい情報に基づいて借り手の金利を引き上げる能力を制限したことの影響を分析しています。規制前、裁量的な金利引き上げは借り入れ口座の半数以上に影響を与えていましたが、規制後は価格分散が約3分の1減少し、価格がより均一化しました。著者は構造モデルを用いて、この規制が価格、借り入れ行動、消費者余剰、および総余剰に与える影響を定量化し、特にサブプライム層の一部で市場の解体が生じる一方、平均的な取引価格は低下し、消費者余剰が増加したことを示しています。この余剰の増加は、主に貸し手の利潤減少と、価格変動に対する保険価値によってもたらされており、規制前の比較的高かったマークアップがプラスの余剰効果を実現する上で重要であったと結論付けています。

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